鳥取県日野町から
暮らしから溢れたものを収穫し、
編みなおして暮らしにかえす
~ 直線的消費を見直す仕組みを、日野町で編みだす ~
身近なソザイ研究所は、みんなが「要らない」と手放すものを集め、素材として分類し、材料・道具・技術・気持ちなど、いろんなものをシェアする仕組みを作っています。身近にあって、有り余っているもの、不要とされているものに興味があり、あまり価値がないとされているものに、新しく価値をつけることが好きです。
自然界に「ゴミ」はない。
あるのは、分解者の不在だけ。
よく考えると、自然界には「ゴミ」という概念がありません。植物が育ち、動物が食べ、排泄物や遺体は微生物(分解者)が分解して、また植物の栄養になる。完全な循環です。
でも人間社会では「生産→消費→廃棄」の一方通行。使い終わったものは視界から消え、ゴミになる。それは分解者がいないからです。
「ゴミ」が増えたのは近代になってからの話。私たちはゴミについて、まだよく分かっていません。やっと考え始めたところです。
身近なソザイ研究所は、人間社会における「分解者」になりたいと考えています。暮らしから溢れたものを受けとめ、ソザイへと分解し、新たな形に編みなおして暮らしに返す。それが私たちの役割です。
ゴミとは、人間社会で役割がなくなったもの。
でも、役割がないからこそ、
作り手の意図から解放された存在であり、
何にでもなれる可能性を秘めています。
私たちはそれを「ゴミ」ではなく
「収穫」と呼んでいます。
なぜ「分解者」なのか
自然界の循環と、人間社会の直線構造を比べると、足りないものが見えてきます。
🌿 自然界(循環する)
生産者(植物)
↓
消費者(動物)
↓
🐛 分解者(微生物)
↻ 循環して栄養に戻る
ゴミという概念がない
🏭 人間社会(直線で終わる)
生産
→
消費(暮らし)
→
廃棄 ✕
分解者がいない → ゴミが増える
身近なソザイ研究所 = 人間社会の「分解者」🐛
暮らしで使われて”熟した”ものを収穫し、ソザイに分解して、編みなおす
🍎 収穫 → 🐛 分解・再編成 → 🏠 暮らしに返す
4つの活動のかたち
いろんな活動に見えて、根っこの考えはひとつ。
「身近にあって、有り余っているもの、不要とされているものに新しく価値をつける」
その実践を、4つのかたちで展開しています。
👘
nOnNA
おばあちゃん服の古着+リメイク
捨てられるには惜しい素晴らしい昔の服を、若い世代へ。受注リメイクで命を吹き返す。
🧺
ワークショップ
竹細工・バスケタリー・ものづくり
竹も布も「身近なソザイ」のひとつ。編む・組む・織る技法で、みんなで作る喜びを。
📦
素材ライブラリー
収集・分類・シェア+廃材コンサル
集まった素材を分類・整理して共有。必要な人・場所に届ける「廃材コンサルティング」。
🤝
地域のちから
竹林整備・モンペ生産・知恵の継承
地域の課題(竹害)も、おばあちゃんの知恵も、活動の大切な一部です。
4つの活動は、こう繋がっている
一見バラバラに見える4つの活動は、「収穫→分解・再編成→暮らしに返す」という一本の循環で繋がっています。
ひとつの活動が他の活動に素材・人・知恵を供給し合う、有機的なエコシステムです。
🐛🍎 身近なソザイ研究所
収穫→分解・再編成→暮らしに返す
STREAM 1 ─ 👘 nOnNA ― 着る・纏う
おばあちゃんの服を「そのまま」「リメイクして」「生地として」活用。布物を使い尽くす出口の①②⑤を担う。若い世代と高齢者の世代間の橋渡し。
STREAM 2 ─ 🧺 ワークショップ ― 編む・作る
竹細工・バスケタリー・ものづくり部・そうぞうクラブ。素材ライブラリーから素材を受け取り、「分解・再編成」を参加者と一緒に行う場。都会から地方へ人を繋ぐ。
STREAM 3 ─ 📦 素材ライブラリー ― 集める・届ける
収穫した素材を分類・整理し、全活動に供給する「心臓部」。会員制度で素材をシェアし、他のWSや団体に廃材を提案する「廃材コンサルティング」も展開。
STREAM 4 ─ 🤝 地域のちから ― 支え合う
竹林整備で素材を確保しながら地域課題を解決。おばあちゃんの裁縫の知恵がモンペ生産やリメイクを支え、地域の文化と技術を未来に繋ぐ。
活動間のつながり
nOnNA ↔ 素材ライブラリー
古着屋で売れない服は素材ライブラリーへ。ライブラリーで良い生地が見つかればnOnNAリメイクの素材に。互いに素材を循環させる。
ワークショップ ↔ 素材ライブラリー
WSで使う素材はライブラリーから供給。WSで出た端材もライブラリーに戻す。子どもWSには「なんでもないもの」が大量に必要で、これを届ける。
地域のちから ↔ ワークショップ
竹林整備で得た竹がWS素材に。WSの参加者(町外の若者)が竹切りにも参加し、地域の人手不足を補う。
地域のちから ↔ nOnNA
地域のおばあちゃんの裁縫技術がモンペ生産を支える。nOnNAで集めたカスリ布が伝統文化の継承に繋がる。
👘
nOnNA(ノンナ)
おばあちゃんの服を、次の世代へ。「誰かの思い出を、着よう。」
nOnNAとは
イタリア語で「おばあちゃん」を意味する nOnNA。日野町やその周辺で暮らしてきたおばあちゃんたちの服を、若い世代に届ける古着屋+リメイク事業です。
地域で不要になった着物や洋服の中には、カスリの生地や丁寧な補修跡がある素晴らしいものがたくさんあります。でも地域の方は「ボロだから出すのも恥ずかしい」と感じてしまいがち。その「ボロ」こそが、世界的にも注目されている日本の補修文化であり、暮らしの中で熟した美しさなのです。
nOnNAの3つの形
nOnNA おばあちゃん服の古着屋 ― 捨てられるには惜しい、そのまま着られる素晴らしい昔の服を若い世代へ。マルシェや催事で販売
nOnNA リメイク ― 少しシミやほつれがある、丈が長すぎる服を、受注してから手直し。微修正で生まれ変わる
オリジナルモンペの生産・販売 ― 地域のおばあちゃんの裁縫技術と協力して、集めた布からオリジナルモンペを制作・販売
なぜ大切なのか
nOnNAは単なる古着屋ではありません。おばあちゃんの暮らしの知恵と美意識を、若い世代に「着る」という形で手渡す架け橋です。服を通じて、世代と世代、過去と現在、地方と都会が繋がります。
🔗 他の活動との繋がり
nOnNAで引き取った服のうち、そのまま着られないものは素材ライブラリーへ。生地が良ければものづくり部やそうぞうクラブの素材に。端切れは織物ワークショップで布ぞうりやダンボール織物に。最後まで使い尽くす循環の入口です。
👤 こんな方に
- ヴィンテージ古着が好きな方
- サステナブルファッションに関心がある方
- 着物・カスリ生地に興味がある方
- マルシェやイベントへの出店をお考えの方
📋 お仕事・コラボのご相談
マルシェ出店、イベント内での古着コーナー設置、ファッション系メディアの取材、生地の仕入れなどお気軽にご連絡ください。
🧺
ワークショップ
竹も布も「身近なソザイ」のひとつ。編む・組む・織る。みんなで作る。
「バスケタリー」という方法
「編む」という行為は、世界中のどこにでもあります。特別な道具がなくてもできるこの行為は、古くから世界のいたるところで行われてきました。竹を編む、布を織る、蔓を組む。素材が変わっても「編む」という手法は共通です。
身近なソザイ研究所では、竹細工もバスケタリーの一部として位置づけています。竹は「身近なソザイのひとつ」であり、日野町で有り余っている素材でもあります。
大切にしていること:正解を教えない
私が正解を教えるというよりは、その場で色々なものが生まれていく。同じかごを作っても一人一人出来上がりが違う。それはその人が現れているから。基本となる大事なところと、振れ幅があっていいところを分けて、後者は厳しくしない。自分らしい表現にたどり着いてもらえたら嬉しいです。
メニュー
竹細工
四海波かご、タガの輪リング、竹ひごとり講座、鳥の巣かご、人の巣、竹と糸のコースター、竹水鉄砲、竹のオーナメント
布・自然素材
布の蔓、カラムシの縄ない、布の縄、布ぞうり、ダンボール織物
ものづくり部(大人向け)
教室ではなく「部活」。一人の先生がいて教わるやり方ではなく、それぞれが自主的に自分のものづくりをする。お互いアドバイスや教え合いはOK。身近なソザイ研究所の材料から好きなものを選んで使えます。
参加費:1回材料費込み 300円(お試し価格)
定員:4名(ミシン台数の制約あり・要予約)
そうぞうクラブ(子ども向け)
子どもたちの創造力は無限大。「なんでもないもの」でも、子どもの手にかかれば驚くような作品に変わります。大量の素材を遠慮なく使える環境が、自由な創造を後押しします。
🔗 他の活動との繋がり
WSで使う竹は地域の竹林整備から供給。布素材は素材ライブラリーから。WSに町外から来る参加者が地域の竹切りにも参加し、関係人口を生み出す。WSで出た端材は素材ライブラリーに戻る。
👤 こんな方に
- 竹細工やバスケタリーに興味がある方
- ものづくりが好きだけど一人では腰が重い方
- 子どもの創造力を育てたい保護者の方
- 学校や施設でのWS開催をお考えの方
- 企業の研修やチームビルディングに
📋 出張WS・イベント出演
鳥取県内・近隣県への出張ワークショップ、イベント内でのWS開催、学校での授業などご相談ください。素材の持ち込みも可能です。
📦
素材ライブラリー + 廃材コンサルティング
集める、分類する、必要なところに届ける。すべての活動の「心臓部」。
素材ライブラリーとは
3階の図工室に、いろんな身近なソザイを収集・分類しています。着物、洋服、端切れ、ボタン、パーツ、ビーズ、いろんな「もう要らなくなったもの」が大量に集まっています。
これらを「素材」として整理・分類し、誰でも必要な分だけ使えるようにシェアする仕組みが「素材ライブラリー」です。
会員制度(サブスクリプション)
ものづくりが好きだけど、一人ではなかなかやる気が出ない。材料を買いに行くのが大変。道具が足りないけど自分のためだけに買えない。そんな方のために、身近なソザイ研究所の材料や道具を使える会員制度を準備しています。
余った分はまた戻してもらって、必要な分だけいろんな布を選べる。儲けはしないけど赤字にならないように運営していく、無理のないシェアの仕組みです。
廃材コンサルティング
「このワークショップにはこんな材料が使える!」を考えて、分類して必要なところに持っていく。これが「廃材コンサルティング」です。
学校のイベント、地域の催事、他団体のワークショップなど、「こういう素材がほしい」というニーズに対して、ライブラリーの膨大なストックから最適な素材をキュレーションして提供します。
🔗 他の活動との繋がり
すべての活動の素材供給源であり受け皿。nOnNAで引き取った服、WSで出た端材、地域から集まった不用品がここに集まり、分類されて各活動に届けられる。4つの活動の循環を支える「心臓」のような存在。
👤 こんな方に
- ものづくりの素材を探している方
- イベントで廃材を活用したい団体・学校
- SDGs教育の素材を探している教育関係者
- 不用品を活かしてほしい方
- サーキュラーエコノミーの実践に関心がある方
📋 素材の持ち込み・引き取り
「これ、捨てるのは惜しいな」と思うものがあれば、ぜひお声がけください。着物、洋服、端切れ、ボタン、毛糸、手芸用品など。量が多い場合は事前にご相談ください。
🤝
地域のちから
竹林も、おばあちゃんの知恵も、この土地の「身近なソザイ」です。
地方の面白さ
移住してきて気づいたのは、地方にはモノ・素材がたくさんあるということ。自然素材も、人工素材も多い。役割を終えたものが、眠っている宝が多い。都会にない面白いものがたくさん収穫できる土地です。
でも住んでいる人は価値に気づかずどんどん捨ててしまう。都会にはもうない、都市の計画やコントロールから逃れているものが地方には残っています。物だけではなく、文化や、現役の知恵、技術も。
竹林整備との協働
日野町では竹林の荒廃が深刻で「竹害」と呼ばれるほど。地域の方は竹をなくしたい。私は竹細工教室のために良い竹がほしい。この二つのニーズを重ねて、竹切りと竹チップ作りを合同で行っています。
竹教室に町外から来る若い参加者が竹切りにも参加することで、高齢化した地域の人手不足を補えます。荒れた竹林よりは綺麗な竹林がいい。どういう景観がいいか話し合いながら、やり方を考えています。
おばあちゃんの知恵
地域のおばあちゃんたちは本当に裁縫が上手で、あるものをうまく「もったいないように使いきろう」という知恵の深さに日々驚かされます。カスリのモンペの補修跡は、デザイン的にもすごく美しい。
この知恵を教えてもらったり、一緒に研究したりする関係性を築けたことが、活動の大きな財産です。
🔗 他の活動との繋がり
竹林整備で得た竹がワークショップの素材に。おばあちゃんの裁縫技術がnOnNAのモンペ生産を支える。地域から集まる不用品が素材ライブラリーを豊かにする。すべての活動の「根っこ」です。
👤 こんな方に
- 地域おこし協力隊として活動している/目指す方
- 竹林整備に関心がある自治体・団体
- 地方の伝統技術の継承に関心がある研究者
- ボランティアで竹切りに参加したい方
- 関係人口の創出に取り組む行政担当者
布物を使い尽くす7つのかたち
素材の状態に応じて、最も適した「出口」を見つける。
7段階で、一枚の布を最後まで使い尽くします。
01 ─ 素材の状態:そのまま着られる
nOnNA おばあちゃんの服屋
捨てられるには惜しい、素晴らしい昔の服を若い世代へ → 着る
02 ─ 素材の状態:少し難あり
nOnNA リメイク
シミやほつれがある、丈が長すぎる服を受注してから手直し → 直して着る
03 ─ 服はイマイチだが生地は良い
ものづくり部 / そうぞうクラブ
生地として生かして作りかえる。大人向け「部活」と子ども向け創作の場 → 作りかえる
04 ─ 素材の状態:端切れ
織物(ダンボール織物・布ぞうり・高機)
細かく切って織る。ダンボール織物、布ぞうり、高機式の織り機も活用 → 織る・編む
05 ─ 良い布がまとまっている
オリジナルモンペの生産・販売
地域のおばあちゃんと協力してオリジナルモンペを制作 → 新しく縫う
06 ─ まだ使えそうなもの色々
(けっこう)いいもんバザー
布以外も含め、本当に結構いいものが揃うバザー → 次の人へ
07 ─ 素材の状態:なんでもないもの
子どもWSの素材 + 廃材コンサルティング
大量・遠慮なく使える・いろんな色や素材。必要な場所に届ける → 遊ぶ・学ぶ
ものを繋ぐことで、人も繋がる
若い世代 ⟷ 高齢の方
nOnNAでおばあちゃんの服を若い世代が着る。おばあちゃんの裁縫技術でモンペを作る。ワークショップに若者が来て竹切りに参加する。もの・素材を介して世代を超えた関係が生まれます。
現在 ⟷ 過去
カスリのモンペの補修跡に宿る暮らしの美。もったいなく使い尽くす知恵。「ボロ」として捨てられそうな過去の営みを、現在の価値として再発見します。
都会 ⟷ 地方
都会にはない素材の豊かさ。都市の計画から逃れた文化や知恵。30分〜1時間以上かけて町外から来てくれるワークショップ参加者が、日野町と都会を繋ぎます。
🌿
眞﨑 愛
身近なソザイ研究所 主宰 / 日野町地域おこし協力隊
竹細工 布リメイク バスケタリー
主宰について
大分県出身。大学生時代に鳥取県日野町の集落の方々にお世話になったことがきっかけで、卒業後に地域おこし協力隊として移住。菅福元気邑を拠点に活動。
身近にあって、有り余っているもの、不要とされているものに興味があり、あまり価値がないとされているものに新しく価値をつけることが好き。竹細工を中心に、布のリメイクやバスケタリーなど、身近な素材を使ったものづくりを通じて、地域の人々と関わりながら活動しています。
エコだからエコ、というよりは、それが楽しめたらいいなという気持ちで取り組んでいます。暮らしから出るいらないものに価値があると思えたら、何でも使いようがある。その発見がワクワクの源です。
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